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【どんなところ?】特別養護老人ホームの特徴と、働くときのメリット・デメリット

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【どんなところ?】特別養護老人ホームの特徴と、働くときのメリット・デメリット

相談者

介護施設は種類がたくさんあってよくわからない

特別養護老人ホームの介護士ってなにをしているの?


こんな悩みにお答えします。

本記事の内容

・特別養護老人ホームの特徴

・働くときのメリットとデメリット


さとひろ

ぼくは特養一筋で働きはじめてから20年目になります。

これまでユニット型と従来型両方の施設で働いてきました。

新規の特養開設にも関わっています。

コロナ前までは地域の特養相談員との交流の一環で、多くの施設を訪問し情報交換していました。


本記事を読むと、特別養護老人ホームがどんなところなのか理解でき、働く上での疑問点を解決できます。

介護保険の複雑な制度もできるだけわかりやすく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

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特別養護老人ホーム(特養)ってどんなところ

特別養護老人ホーム(以下特養)は介護老人福祉施設とも言われる老人ホームで、寝たきりや認知症などによって常に介護が必要で、自宅での生活が難しいひとのための施設です。

施設は、ケアプランという介護する上での計画書をもとに、食事や排泄、入浴、健康管理、機能訓練、その他の生活上の世話を提供します。

終の棲家」と言われていて、人生の最期を迎えるつもりで入所させる家族も多いでしょう。

法的な基準については、人員や設備及び運営に関する基準が定められていますのでこちらをご参照ください。

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特別養護老人ホームの特徴

特養の特徴について、以下の内容を解説します。

・特養について

・利用者について

・特養の種類について


一つずつ解説していきます。

特養について


特養は、常に介護が必要で、自宅での生活が困難な人が入所します。

介護保険法という法律に沿って運営されていて、他の介護保険サービスと比べて費用負担が少ないサービス

そのため、待機者が多く、入所の連絡をすると「宝くじがあたったよう」と言われることもあります。

地域によっては施設が多すぎて空床が目立ち、すぐに入れる場合もあるんですけどね……

対象になるのは自立から要介護5まで8段階あるうちの、上から3番目にあたる要介護3以上の方。

認知症や精神障害が進行し意思疎通がむずかしい場合や、一人暮らしで介護保険のサービスを使っても自宅で過ごすことがむずかしい場合、家族から虐待を受けている場合などは、要介護1や2の方でも入所できる場合があります。

ケアマネジャーを中心に、ケアプランというケア内容の計画書を、本人や家族、施設内の各職種と協同で作成し、職員はその計画に沿ってケアを提供していきます。

利用者について


原則要介護3以上の方が入所する特養ですが、いろいろな利用者さんがいます。
その方によって必要なケアがちがうので、おおまかなにどんなケアが必要か解説していきますね。


❶身体的ケア


加齢や病気などで身体がじぶんの思うように動かず、生活の中で手伝いが必要になります。

なかには、依存心が強くなんでも手伝ってほしいと言ってくる人も。

でも、そういう人でも本当は人の手なんか借りたくないんです。

なにか不安があったり、できないと思い込んでいるからの訴えなので、その人にできることとできないことをしっかり観察し把握しましょう。

時にはできることでもやってあげることも必要なんですけどね。


❷認知症


特養の介護士を悩ませる業務No.1と言ってもいいのが認知症の症状への対応でしょう。

徘徊、ろう便、同じ話の繰り返し……

時間はいくらあっても足りません。

でも、特養の介護士に必要なスキルはなんだかんだ3大介助と認知症ケアだと思います。

「この症状はなんで出るんだろうな?」

と考えながら対応するだけでも、その人に対する理解が深まります。

最低限、認知症の中核症状と行動・心理症状の違いは理解しましょう。

知らずにかかわるとあなた自身が苦労しますよ。


❸医療的ケア

施設によりけりですが、特養でできる医療的なケアは多くありません。

看護師がいて、医者も定期的にきて、という状況で、特養に入ればなんでもしてもらえると思っている家族の方は多くいます。

ですが、特養は病院ではありません。

胃ろうや在宅酸素はともかく、その他の医療的ケアはできない施設も多いです。

ですが、その施設できる医療的ケアについては、介護士も理解しておく必要がありますので、そこはしっかり勉強しましょうね。


❹社会的ケア


家族から虐待をうけていたり、介護している人が急に介護できなくなってしまったり。

身体的には自宅でも生活できるけど、いろんな理由で保護が必要になるケースもあります。

そんなときに緊急避難的に特養へ入所するケースもあるんです。

そのまま継続する人もいれば、状況が改善し自宅に戻るケースも。

「なんでこんなに元気な人が特養に?」

と思うかもしれませんが、特養へ入所する人は、いろんな背景を持ってるので、確認してみるのもいいでしょう。

上記のケアについても、それぞれが個別にあるのではなく重なり合っている人もたくさんいるので、その方が穏やかに過ごせるにはどうすればよいか、知恵を絞るのが特養で働く職員の仕事になります。

特養の種類について


特養にはいくつか種類があり、代表的なものは以下の3つになります。

❶ユニット型特養

❷従来型特養

❸地域密着型特養


以前は定員が30名の小規模特養というものもありましたが、現在は廃止されています。


❶ユニット型特養

ユニット型特養は、10人程度の利用者さんが一つのグループ(ユニット)になっていて、規模の小さい空間で過ごすタイプの特養です

定員が100名のユニット型特養であれば、一つの建物の中に、10人ずつのユニットが10個あるというイメージでしょうか。

居室はすべて個室で、トイレ付きとそうでない居室があります。

従来型と比べると規模が小さいので利用者さんとの距離が近いですね。

職員は各ユニットに配属される形になりますが、夜間帯は2つのユニットで職員が一人というのが国の配置基準。

なので、2ユニット分の利用者さんに対応することになります。

従来型では数十人の利用者さんの情報を覚える必要がありますが、ユニット型は20人分の情報になるので覚えやすいですね。

その分、一人の方に深く関われます。

逆に、利用者さんの人数が少ない分、職員の人数も少ないので、ユニット内にいる職員が自分だけになる時間帯もあるのがデメリットと感じる人もいるかもしれません。


❷従来型特養


従来型特養は、フロアごとの人数の決まりはなく、施設によってまちまちですが、1フロア30人から50人程度の利用者さんの対応をしていきます。

居室は、個室もありますが、2~4人部屋がメイン。

居室内に共用のトイレと洗面台がついています。

利用者さんの人数が多い分職員も多いので、「日中自分しか介護士がいない」ということは通常はありません。

介護量が多いので、技術が身につきやすい反面、体のケアはより重要になってきます。

夜勤も1フロア2人体制のことが多いので、1人になるのが不安な方には良いかもしれません。


❸地域密着型特養


地域密着型特養は、定員が29名以下の特養です。

地域との結びつきを重視しているので、原則お住いの地域の方が入所する施設です。

介護面ではユニット型や従来型とかわりはないの、自分はどういう特養が向いているか考えてみてください。

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特別養護老人ホームで働くメリット

高齢者施設には、特養のほかにも老健やグループホーム、有料老人ホームなどいくつか種類あります。

その中で特養で働くメリットについて解説していきます。

特養で働くメリット

・一人の利用者に長くかかわれる

・技術が身につきやすい

・じぶんに合った働きかたができる

・他職種と連携がとりやすい


メリット1 一人の利用者に長くかかわれる


特養で働く最大のメリットは、やはり一人の利用者さんに長くかかわれることです。

老健やグループホームはいずれ退所して、自宅や別の施設に移動することが前提。

サービス付き高齢者住宅や軽費老人ホームも介助量が増えてくると退所しなければなりません。

特養は医療的なケアが施設の基準を超えたり、おおきなトラブルが発生したりしなければ、その方の最期まで対応することができます。

特に看取り介護を経験することは介護士として大きな経験になるでしょう。

メリット2 介護技術が身につきやすい


他の施設と比べ、圧倒的に介護技術が身につきます

特に従来型施設の場合、数十名の利用者さんの介助をするから。

移乗や排泄、食事の介助など、単純に介助する機会が多いんです。

「介護経験は何年もあるけど介護技術は持ち合わせていない」という転職者は意外といます。

未経験や経験の浅い介護士の方は、まずは従来型特養から働き、ユニット型、他の種類の施設と経験を積んでいくとスムーズかもしれませんね。

メリット3 他職種と連携がとりやすい


特養は他職種連携がとりやすい。

施設内に、介護士をはじめ、看護師、ケアマネジャー、栄養士、機能訓練動員、生活相談員など多くの職種が働いているからです。

歯科衛生士が常勤でいる施設もあります。

在宅サービスでは、会議一つ行うにも調整が必要で関係者が集まるだけで一苦労。

特養では、一声かければ関係者が集まれますし、それぞれの専門職に聞きたいことがすぐに聞けますね。

特養は他職種連携がとりやすいのです。

ぼくは自分の食事の相談を栄養士にしていますし、子どもの健康相談を看護師にしています……^^

特別養護老人ホームで働くときのデメリット


特養で働くメリットは理解できましたか?

続いてデメリットについても解説していきます。

特養で働くときのデメリット

・体力的にきつい

・働く時間が不規則

・人間関係につかれる場合がある


デメリット1 体力的にきつい


介護の仕事がきついと言われる所以の一つ。

今の特養は、原則要介護3以上の方が入所するので、単純に必要な介護量が多いです

そして早番があったり夜勤があったりと、はたらく時間が不規則で体力を消耗しやすいことは否めません。

なので、勤務外の時間に心身のメンテナンスをする必要があります。

ムダな残業や、過度に早く出勤して仕事を進めておくのはやめて、仕事のon - off をしっかり切り変えましょう。

「それができれば苦労しないよ!!」という声が聞こえてきそうですが、誰かが勤務時間内で仕事をやりきる行動を始めないと職場環境は変わりません。

逆にあなたがリーダークラスであれば、時間通りに勤務して回っていく業務を作りましょう。

ここは意識を変えて行動できるといいですね^^


デメリット2 働く時間が不規則


特養の介護士は働く時間が不規則になります。

土日も関係なく仕事がありますし、早番、日勤、遅番、夜勤と24時間のシフト勤務になっているからです。

ぼくは、シフトごとに起きる時間を決め、前日は起きる時間から逆算して夜の行動を決めていました。

健康管理は介護士の大きな仕事の一つです。

自分に合った管理方法を見つけましょう。

土日勤務なので友だちと休みが合わないのがネックですが、平日に出かけた時のテーマパークの貸切感は半端ないですよ^^


デメリット3 人間関係につかれる場合がある


特養に多くの職種が働いていることをメリットとして挙げましたが、だからこそ人間関係で疲れてしまうことがあります。

それぞれの職種で勉強してきた内容が違いますし、介護士の中でも経験や資格の違いが大きく、考え方の違いで人間関係がこじれやすいと言えるでしょう。

シフトでいない人もいるので、どうしてもいない人の悪口に走りやすい。

それに付き合うだけでも疲れちゃいます。

仕事以外で必要以上に仲良くなる必要はありません。

どうしても避けて通れない「裏ボス」がいる場合は、必要な技術を身に着けさっさと転職した方がよい時もありますよ。

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まとめ


本記事では、特養の制度や利用者、種類、働くメリットやデメリットについて解説しました。

これから介護の仕事を始める人も、転職する人も、特養は働く場所の選択肢のひとつになり得ます。

体力面や働く時間が不規則など、心身への負担は否めません。

ですが、一人の人に長期間かかわりたかったり、介護技術を身につけたい人にはオススメです。

最近は「短時間正規職員」や、「夜勤なし正規職員」を導入する施設も増えています。

自分の考え方やライフスタイルに合った施設を選べるといいですね。

今日が行動を変えるチャンスです。

ではまた^ ^

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  • この記事を書いた人

さとひろ

介護する人もされる人も、安心して穏やかにすごせる環境 ”CARE GOAL=ケアゴール" を目指して、ケアする人をケアします。

特養で働き続けて20年。
介護士 、施設ケアマネジャーを経験し、現在は生活相談員&副業Webライターをしています。

【保有資格】
・社会福祉士
・公認心理師
・介護支援専門員
・第2種衛生管理者
・介護福祉士
・福祉住環境コーディネーター2級
・日商簿記3級

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